2024 11,26 |
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2009 06,14 |
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サンデー連載の『魔王 JUVENILE REMIX』を開始からずっと追いかけているのですが、最近またどえらいことになってきたなーとびっくりしています。弟がもう、少年漫画の主人公じゃない……っていうぐらいの勢いで兄の弔い合戦を! 毎週のように出てくる兄コレクション(『男が自分の恋人を撮影した』んだったらセーフかも知れないけど、『男が自分の兄を撮影した』となるとどう考えてもセーフではないアングルの画像たち)も見逃せません。
絶チルやスペシャリテ、ディフェデビや月光条例にも注目しています。 ところで、先ほど曽良くん……が3人 × 松尾が1人 という素敵なイラストを拝見した(無理を言って見せていただいてしまった)のですが、そのとき思わず『三匹の子豚』の物語が頭をよぎりました。 だから書いてしまった! お、折りたたみで出てまいります……(不健全曽芭・童話パロもどき) 昔むかし、河合という名の三人の兄弟は実家から独立して、それぞれの趣味でもって一人暮らしの家を建てました。オーガニックと気軽さにこだわる長男はわらの家を、草原に佇むログハウスでの暮らしに憧れていた次男は木の家を、落ち着いて眠れるだけの強度とアンティークの香りを追究する三男はレンガの家を建てました。 そうして3人は、それぞれの生活を守りながら時には助け合い、お互いを尊重して平和に暮らしていたのです。 ところがある日、そんな彼ら兄弟たちにひとつの事件が起こりました。青天の霹靂でした。 わらの家に暮らす長男が、こっそりと狼を飼っていたのです。このような事実が発覚したため兄弟仲は荒れに荒れました。 「心配をかけないようにと思っただけです。急なことだったので」 「しかしこの男、僕たち三人の家をすべてまわるつもりだったのでしょう?」 「まったく。彼は三人の共同財産ではないのですか」 「それはあくまでも予定の上での話です。見ての通り、彼はこのわらの家を気に入って居着いてしまったのです」 「服をとられたからでしょう」 「ふんどし一丁の格好の上に、首輪までつけられてしまったからでしょう」 「ああ、皮の首輪に……鎖ではなく縄ですか。兄さんの趣味は相変わらずですね? 強度が足りていないのでは」 「彼は非力ですから問題ありません」 「たしかに腕力のなさそうなおっさんですね」 「とにかく、今後の彼は三人の共同財産ということで。いいですね? 兄さんたち」 「……末っ子のくせにしっかりしている」 「小屋でも作ってやりますか。木の色は何がいいだろうか……」 「自然のままにしておきなさい。それが似合う男だ」 「ずいぶんと余裕を見せてきますね……兄さん」 「なぜ逆側の方向にある、僕の家の方に先に来なかったんですか」 「……帰してよう…………」 着物をすべて奪われてしまい、それでも辛うじてふんどしだけは残してもらえたものの、革製の首輪と縄に拘束され、屈辱的な格好のままで一日を過ごし、夜になると玩具のように弄ばれる。などという生活を強要されてきた狼は、そっくりな次男も三男も自分の救世主にはなってくれないことを理解してしまって、しくしくと力なく泣き出しました。 彼はあわれな狼です。三兄弟の建てた家などあっさりと吹き飛ばしてしまう予定でやってきたのに、第一号のわらの家を相手にさっそくつまずいてしまったのです。それどころか反撃を喰らう羽目になり、逃してもらえず、長男のペット(※できうる限りにマイルドな表現方法)と成り果ててしまいました。 替えのふんどしはオーガニックコットンでした。その点はわらの家をこよなく愛する長男の趣味でした。 入浴はさせてもらっていましたが、長男の言う通りの順番と方法で洗わなければなりませんでしたし、時には長男に洗うことを任せなければなりませんでした。もしかすれば次男と三男にも同じような趣味があるかも知れません。 未来を染め上げる果てしない不安に、狼の涙はとどまることを知りませんでした。 ついにはシーツ(※オーガニックコットン)に四つん這いになり、しゃくり上げ始めてしまった無力な狼。そのような姿を三兄弟たちはじっくりと眺めます。口論はいつの間にやら収束していました。一週間ごとに代わりばんこということで無難に決着しました。 「なるほど……悪くない」 「なかなかやりますね、兄さん」 「残念ながらこれは元からです。しかし、つまりは充分な素質を持っているのだということ」 彼らはそろって明らかにそそられていました。 こうして三人の河合は、あわれなる狼の松尾を三人の共同財産にすることに決めました。 何事もなく平和だった頃と比べて、生活は少しばかり刺激的なものになりました。彼らは時にふたりで楽しみました。あるいは三人で、場合によっては四人で楽しむこともありました。 体力の足りない松尾がばててしまうと、三人は文句を言いながら面倒をみてやりました。服を与えてやって、つないだ手を絶対に離さないという条件付きではありましたが(それは鎖や縄の代わりとなるものでした)、散歩や買い物に連れて行ってやることもありました。 松尾は割と前向きで、まあまあ単純でもありました。やさしく扱われるとすぐさま調子に乗って甘えてくるのでした。 主人公の三人にとって、この物語はめでたしめでたし。三人のことを本当に心から気に入ってしまえば、狼にとってもめでたしめでたし。 もっとも実際のところ、彼らの生活はこれからも続いていくことでしょう。本当にめでたし、めでたしということになるのかどうかは決して定かではありません。しかし少なくとも三人の河合とそれぞれの家は今でも健在で、あわれなる松尾も当分は、そのうちのどこかに暮らしているはずです。 この他にもガラスの靴をでっち上げられて王子様に攫われていくシンデレラや、あやしい薬(ホレ薬ではないところがポイント?)の入った林檎を口移しで(魔女に化けた王子様から)呑み込む羽目になる白雪姫、おばあさんが狼と結婚してしまう赤ずきんちゃん、グレーテルがヘンゼルの手を取って森の外まで逃避行してしまうヘンゼルとグレーテルなど(妹×兄設定?)いろいろ妄想しました。 妄想中、家のお外にいたもので顔に出ていなかったか心配でなりません……(それ以前にあんまりだ) PR |
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