2024 11,27 |
|
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
|
2009 04,28 |
|
今日の記事もまたパラレル的な妄想なのですが、初心にかえって師弟な曽芭(ただし俳句ではない何か)!
……というのもいいけれども、年齢差五歳という史実を活かした幼なじみ風曽芭なんていうのもいいなあ……ということで脳内にて進めてまいりました。 ご実家がお隣同士の芭蕉さんと曽良くんは、幼なじみです。曽良くんが小学校に上がると、当然のごとく通学班でも一緒になりました。班長は芭蕉さん(というか芭蕉くん)です。頼りにならない六年生 を冷ややかに見つめる新一年生 そこから順調に時は過ぎていって、芭蕉さんは中学生に成長。曽良くんは未だに小学校中学年といった感じです。 この頃、曽良くんのご両親は多忙を極めていて休日も忘れてしまうほどでした。仕事の都合ということで仕方がないので息子のお世話はベビーシッターに。あるいは隣のお兄ちゃんに。ベビーシッター相手には礼儀正しく子供らしさをほとんど見せない曽良くんが、芭蕉お兄ちゃん(五歳年上)相手にはちょっと違った態度を見せるのだということを、ご両親とてなんとなくは理解していたのです。 時間のあいた休日などに、芭蕉さんは曽良くんのお家を訪ねて来てくれます。宿題を手伝ってくれたりします。食事を作ってくれたりもします。ただし曽良くんよりもずっと至らないことが多々あったのですが、それはともかく、本当に様々なことを教えてくれるお兄ちゃんであったのでした。 例えば、曽良くんが特に(そして密かに)気にかけていたものは芭蕉さんの奏でるピアノの音色です。芭蕉さんは小さな頃から趣味としてピアノを習っていました。だから曽良くんが何かの曲を気にしたりすると、即興で演奏して喜ばせようとしてくれたのです。ただし途中で間違えてしまって、恥ずかしいことになるような場合も決して少なくはなかったのですが。 曽良くんの家にはピアノがありませんでした。だから芭蕉さんが小さな演奏会を開くとき、曽良くんはかならず芭蕉さんの部屋の中に座っていました。通い慣れたお隣の家の、二階の一室であるそこは、いつ訪れても曽良くんの心をざわめかせる不思議な匂いに満ちています。「芭蕉さんの部屋はくさいですね」「君、いっつもそれ言ってない!? 新手の挨拶!?」 しかしふたりの穏やかな日々もそうそう長くは続きませんでした。芭蕉さんのお家の方が、仕事の都合で引っ越すことになってしまったのです。 せめて引っ越すのが自分の方であったならばよかった。どうして置いて行かれなければならないのか。毎日のように顔を合わせてきた芭蕉さんという存在を見送りながら、曽良くんはもしかすれば生まれてはじめて、誰かのために動揺する感情を抱きます。 そして、未だに幼い彼はひとつの決断をするのでした。この胸の痛みの借りはどうしても返さなければならないから、絶対に、絶対にこれで『お終い』にはしないのだと。 時は過ぎまして約十年。 芭蕉はその才能を開花させていました。音大を卒業し、ピアニストの道を歩んでいたのです。 その日々は忙しなく過ぎていきます。日の変わるまで部屋に帰ることができないというのも珍しくはありません。学生の頃から始めた一人暮らしの住処に帰れば身体はもうくたくたで、最低限の物事を済ませたらあっという間に眠ってしまいます。夢が叶って幸せであることに間違いはないものの、息をつく暇もない生活です。 (疲れた……疲れた。こんなことで明日、演奏中に幻覚でも見えたらどうしよう) 芭蕉は自らの冗談に力なく笑みを浮かべながら、今日も縫いぐるみのマーフィーくんと一緒に布団の中へダイブするのでした。 ところが演奏中、ではなく、とある(芭蕉にとっては)珍しい休日のさなか。芭蕉は本当に、幻覚なのではないかと疑ってしまうような影を見ることになります。 「芭蕉さん」 「……え?」 「おぼえてますか。僕のことを」 「そ……まさか、そーくん!?」 「恥ずかしい呼び方をするな!」 「のだめッ!」 見事に引っ叩かれましたが、それはすなわち確信の瞬間でもありました。この男は確かに自分がよく知っている、よく知っていた、かつての幼子。 「そんな呼び方をしたことは一度もなかったでしょう」 「つい……ノリで……」 突然の再会の後、彼はまさかの一言を発してきます。 「ところで、僕はいま音大に通っているんですが」 「え、マジで? なになに、何やってんの」 「ピアノです」 「……うううう、お?」 「ピアノです。芭蕉さんと同じ」 「……おおうう、ほんと!? ほんとに君がピアノ!?」 「ええ」 曽良が『誓った』あの日から数えて、約十年。 「ですから、僕を……」 物語はここから再び加速していきます。 「僕を、芭蕉さんの弟子にでもしてください」 結局師弟にもなってもうた……ここまでに初対面から始まるパラレル物語ばかりを妄想してきたので、そうではないものも考えてみよう、と思ったら再会設定になっていました。 そしてこれで七つ目になったー! この一週間、「毎日パラレルを妄想する(現代曽芭限定)」というオンリーロンリーダンスを勝手に繰り広げてまいりました。 祝・素敵なオンリー開催! と心のクラッカーを鳴らしつつ、その波に乗らせていただいて現パラの世界へ妄想から入ってみたという勢いです。い、いまいち入れていない……かも解りませんがっがっ もしもいずれかに「こんな曽芭もありでいいんじゃない?」と感じていただけましたならば、心より幸いの限りです! 元禄現代ソバンザイ!(←何かのヒーローもののようだ) PR |
|
コメント |
コメント投稿 |
|
忍者ブログ [PR] |