2024 11,27 |
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2009 04,29 |
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(※ バイオレンス的な描写を若干に含みます)
その身体を引っ掻いて、にじみ出てきた血液を爪の先に染み込ませる。黒ずんだ紅色に硬い場所を濡らされる。眺め、確かめ、ああこれは彼の内側にあったものだと感じることによって、ようやく静かに満たされる。 何とも呼べようはずがない。 「そういうわけで芭蕉さん、これは愛ではありません」 「そうだったのか」 すると引っ掻かれて傷ついた男は、痕の消えない首筋を押さえながらに呟いた。 「私は君のこれを感じて、まったく痛すぎる愛だなあと思ってたのに」 ああ、おかしな男だ。馬鹿な男だ。都合のいい男だ。すぐ、調子に乗ろうとする男だ。 何とも呼べようはずがない。そうであるというのに彼は、この感情をなんとでも呼ぶ。 誰よりかも苛立たしくそして、いとしいおろか者。 たまには甘いお曽芭にも挑戦してみたいと そう思って書き始めたのにさっそく芭蕉さんが傷ついているではないか……しかも開き直ってるー! 送り出す側がこんなのは愛じゃないと呟いているのに、受け取った側はこれを愛だとうそぶく。どちらとも真実ではないのかも知れないし、そのように矛盾したやり取りの中にこそ熱を帯びた感情が抱かれているのかも知れない。汝は愛なりや? 肉体的に痛い思いをしている芭蕉さんと、気持ちが悩ましいことになって精神的に痛い思いをしている曽良くんというシチュエーションにときめきを感じてしまいます…… PR |
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